三条帝
本日も皆さまにご協力いただき、なんとか終えることができました。
誠にありがとうございます。
『大鏡』、あっというまに明日で千秋楽を迎えます。
明日はありがたいことに満席です。当日券はキャンセル待ちとなります。何卒、ご了承くださいませ。
これからご来場いただく方も、既にご来場いただいた方も。
『大鏡』について。たぶんラスト。是非ご覧ください!
最後にご紹介するのは三条帝。道長さんと、一番対立した帝です。
先日いただいたアンケートに三条帝がすきな方がいらっしゃってテンションあがりました!私も好き!
先日お姫様のご紹介でちょこっとでてきました一条帝の次に、天皇の位につかれた方です。
じつは、血縁をたどると、道長さんの甥っこにあたる方。道長さんのご兄弟の一番上のお姉さん超子(ちょうし・のりこ)さんのお子さんです。(一条帝も、道長さんの甥にあたります。この方も、道長さんのお姉さん、詮子(せんし・あきこ)さんのお子様です。)
しかし、この三条帝よりあとに生まれた一条帝が幼いころに先に帝位につき、三条帝は、一条帝の時代には東宮と呼ばれる、次期天皇の位につきます。
先に生まれた順番じゃないの?とお思いかもしれませんが、三条帝は早くにお母さんをなくして、権力的に弱かったので、道長さんのお父さん、兼家さんが、一条帝を先に帝位につけることにしたようです。
この時代、天皇の母親の権力がじつは一番重要だったりします。
なので、一条帝が崩御されてからは、三条帝が帝の位につくことになります。
一条帝とはなかなか上手くやっていたらしい道長さんですが、三条帝とは対立しまくったと言われています。
三条帝はどちらかというと、道長さんの権力が拡大していくのを危険視していたよう。
原作の『大鏡』では、その三条帝との後継ぎの件で争う道長さんが割とがっつりページ数を割いて描かれています。
(私はそこにでてくる三条帝の皇子がとても好きなのですが、今回の『大鏡』ではそこまでいきませんでした!くやしい)
しかし、結局は、三条帝も退位した後は、道長さんの孫たちが天皇の位についていきます。
実は、この三条帝、眼病を患っていて、天皇の位についたときには既に目が見えなかったよう。そういう病気のことも関係して、対立する羽目になったのだとはおもいますが。
なんでも、鳥の翼をもったもののけが三条帝についていて、翼で目をかくしてしまっているのだとか。たまにその翼が羽ばたく時にちょっとだけ見えたりするのだとか。
三条帝は百人一首のこちらの歌も有名かもしれません。
「心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな」
68番のこのお歌は三条帝のお歌です。
ざっくりいうと、
「心ならずも、このつらい世の中で生きながらえてしまったら、今宵の月は、きっと恋しく思い出されるに違いないだろうなあ。」
みたいな感じ?
「例ならずおはしまして、位など去らむとおぼしめしける頃、月の明かりけるを御覧じて」詠んだ歌だそう。
「例ならず」は眼病の事をいっているので、「病気で退位を決意した時、明るく輝く月を見て」って感じ?
この歌を読んだ時に彼には本当に月が見えていたのか。どうか。
一方、道長さんはこんな歌を読んでいました。
「この世をば 我が世とぞ思う 望月の 欠けたることも なしと思えば」
三条帝の歌と比べてしまうとなんだかもう。もう。
そんな三条帝を担当しますのが、おまたせしました!千葉勇佑氏
実は青ねりの第一回公演に出ていたんだよ。ものすごく久しぶり。
演劇集団円の俳優さんです。絵のお仕事もなさっています。今回の大鏡のチラシは彼のデザイン!
とても黒いので、劇場の隅に立たれるとよく見えません。あと、夜も良く見えません。
久しぶりに一緒にやりましたら、超俳優さんになっていてなんだかくやしいです。とてもかっこよくなりました。たぶん30歳にむけてもう少しかっこよくなっていくかと思います。
しかし、ちゃんと生きて来てしまった方のでとてもちゃんとしているのがたまにきずです。
金谷と意外と家が近いので、一緒に帰ると、お芝居の話をよくしてくれます。あのシーンはよかったねとか。俺はここがすきだなとか。
きっとたぶんどの作品でもそうなんだろうけど、ちゃんと愛そうとしてくれるのがとてもうれしくもあり、私の場合ちょっとうざくもあります。
どうしても職人というかアーティストな方なので、あたりまえなんですが、大鏡のある側面を一番理解しているのは彼だと思っています。
業平でご紹介した恵佑くんとはご兄弟。勇ちゃんのほうがお兄さんです。
ご兄弟でまさかご参加いただけるなんておもってもみなかったんで千葉家独り占め感でものすごく贅沢な気分です。
そんな贅沢もあと一日!
とっても長い作品ですが、ぶっちゃけ体感は人によります。5時間ぐらいの人もいれば、1時間30分くらいの人もいるようです。不思議ですね。
明日の千秋楽は満席なので、お早目のご来場をお待ちしております。
それでは。おやすみなさい!
金谷
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