身体を動かす企画『立てば芍薬…。』最終日! ありがとうございました!

青山ねりもの協会の身体を動かすワークショップ企画『立てば芍薬…。』先日20日に、全日程終了いたしました。

 

ご参加いただいた皆様、ご協力いただいたゲストのお二方、本当にありがとうございました!
遅くなってしまいましたが、最終日のレポートです。
最終日。二日目と同じくお昼から。
今日は三日間連続で参加のメンバ―のみだったので、さすがに疲労もたまってきていて、はじまりはゆったりと。ストレッチしたり、マッサージをしたり。
最後なので何かちょっとした作品がつくれたらと考えていましたが、はて。どうやってつくろうか。と話すところから始めました。
コンテンポラリーダンスってそういえばどうやって作っていくの?という素朴な疑問をゲストさんにお伺いしてみたら、やはり人によるし、色々あるとのこと。
曲やテーマから作ることもあるし、振付家や演出家がいることもあるし。 動きやふりを作るときは、場に条件やルールを定めてみたり、(例えば空間に線があるとして、その線に対して動いてみる。とか。) 身体自体に負荷をかけたり。(身体の右側に重さを感じながら。とか。)
広がり方、発展の仕方は本当に自由なんだそうです。
でも、ダンスに限らず、演劇なんかもそうだよね。と。
一日目の時からちょこちょこでてはいたのですが、ダンスと演劇の違いの話、あるいは共通する部分の話がいろいろと出てきます。
今日の参加メンバーとしては、ダンサーはゲストさんお一人。あとは私たちふくめ、ダンスはあんまりかほとんどやったことないが、演劇はやったことあるぞ。という人たちだったので、違いの話や、お互いの感覚の話などはとても盛り上がる。
そして、実は、演劇の感覚ももっと知りたいとゲストさんがおっしゃって下さっていたのを思い出して、何か使えるかな。と今日は戯曲をいくつか持ってきていました私。
そこで、戯曲のワンシーンをつかってダンスをつくれないか。ということになりました。
せっかくだし、まずはワンシーンを演劇として立ち上げてみたら、そこからの動きも活かせるかも。ということで、
持ってきた本から二つ選び、そこからまた二シーンくらいを抜粋して、試しにみんなで読んでみて決めることにしました。
とりあえず全然違う二種類の本をえらんで読んでみました。一つ目は古典。二つ目は現代劇。(現代劇といっても90年代くらいの、ちょっと古めの作品です。)
ゲストさん、後から聞いたら演劇の台本を読んだのは小学生以来だったよう。みんな読むのが早い!とびっくりしていました。
読んでみて、我々もあまりやったことない感じのをやってみよう。ということで、二つ目の現代劇の方にしました。 我々にはあまりなじみのないタイプの本だったので、それがこれからダンスになるとかんがえると、面白いのではないか!?
その中でも、二人の男女の登場人物が初めて出会うワンシーンを選びました。とりあえず、演劇としてチームごとに立ち上げてみることに。
DSC_0745
我々にはあまりなじみのないタイプの本…、いや、大胆に言うと、かなり苦手な感じの本です。 でも、世間的にはベターな演劇なのかな…。
そのベターさ(しかも90年代のベターさ)を意識してしゃべってみたり。演出を考えたり。色々遊んでみます。
DSC_0748
何とか形になったら、発表して、お互いにみあって、見ている人に演出をつけなおしたりしてもらって、ブラッシュアップ。
3チームそれぞれのシーンが立ち上がりました。
ゲストさんは、みんなが、ダンスをするときに感じていた「はずかしさ」ってこれなのか!ってなったそう。シーンを始める時がドキドキしたそうです。
これから、このシーンをダンスにしていきます…!
今立ち上げたシーンの動線を生かしながら、チームごとに作ってみます。今度は一チームづつみんなでみながら、ゲストさんを中心に演出してもらう感じでやってみました。
DSC_0753
一チーム目は、首の動きや、手を隠して動揺する動きが特徴的だったので、それを続けながら動いてみることに。
セリフに照らし合わせながら、動線の流れを確認して動いているうちに、セリフの単語・文節単位で振り(動き)が出てきます。
なので、ちょとちょこと動きが多く、せわしなく動いている感じ。(首や右手もそれぞれずーっと動かし続けているので)
休憩中にゲストさんに教えてもらった、足や身体の一部で文字を書くという動きの方法もつかってみたりして、運動量がすごいことになっていました。
DSC_0763
つづいて二チーム目、ゲストさんのいるチームだったのですが、二人それぞれ、動きを作る仕組みが全然違う…。前のチームのようにセリフの言葉から動きをつくるところもあれば、一セリフの印象から、その時の役の気持ちから、動いてみたり。 触れ合う振りが多くでてきました。 やっているうちにある一定のリズムが生まれてきて、それに合わせて2人の身体が動いていくのがおもしろかったです。
三チーム目、私がいたチーム。上の二チームまでが結構苦労していたので、覚悟していたのですが、けっこうあっさりと動きがきまりました。
なんとなくのセリフの意味のやり取りから、ポーズをとっていって、やりたい動きはくりかえして。結構和気あいあいと。 ゲストさんから、シンメトリーに動く動きが多かったので、それをわりとずっと意識していい。とのお言葉。そして、ほぼシンメトリーに。 移動のステップが我々だけではなにやっても出てこないので、ゲストさんに振りっぽいのを付けてもらいました。が、うまくできません。
DSC_0759
個人的には、こんな風にみんなでなにかつくるのがとても久しぶりだということに気付きました。最近進行役やってることの方が多かったので。
やっぱり、一緒になにかやるの楽しいーなー。
三チームともとりあえず作り終わって、少しふりかえり。
台本をもとにしてつくったので仕方ないが、ダンスにしてはやはり、タスク・情報量が多すぎるとのこと。もっと一つの動きを解体してゆく感じでもよいのではないか。とゲストさん。
チームごとのつくりかたの違いが顕著だったので、それもちょっと分析。どうやら、セリフの覚え方とか、文章の把握の仕方が影響しているようだということがわかりました。
例えば最初のチームは二人とも、セリフは文字情報・記号としておぼえて、意味はそのあとから頭の中にはいってくるそう。なので、セリフの文字情報を必死に追って動きを作っていたんだそうです。
私がいた最後のチームなんかは、2人ともセリフはだいたいの意味を最初に把握するタイプ。こんな感じのことをしゃべってるー、だいたいのやりとりー、で全体を把握していくので、言葉一つ一つは全然覚えてないけど、こんな感じのだったよね? 身体で表すとこうかな? とざっくりで進んでいったので作業が早かったみたい。けっこうあっさりした振りになったのもそのせいかも。
二番目のチームはどうやらそのはざまでふらふらしていたようです。
それから発展して、ダンスの感覚と演劇の感覚の違いにまた話が及びましたが、
せっかくなので、つくったものをもう少し発展させたいので、
情報量を少なくし、もっとスムーズにつなげるように、もはや本の内容からは離れて行ってもかまわない。みたいな条件で、それぞれのチームのダンスをブラッシュアップすることになりました。
一つ目のチームは、じゃあまずはセリフ削ろうぜ!みたいな流れに。そうか。そうだよね。
二つ目のチームは、先ほどつくった中で出てきた振りをもっと解体して、全然違う動きをまた生み出していく感じに…。
三つ目のチームは、起承転結で四つポイントを作って、そこでやっていた動きをピックアップして、その間をスムーズにいくようにつなげてみようという方法で。
なんどか練習を繰り返して、発表。
一チーム目は、やはり情報量は多いものの、なぜかジャジーな雰囲気のダンスに! 一つ一つの動きにメリハリがつくとめちゃくちゃカッコよくなりました。
二チーム目は、さっきつくったものの面影がもうほとんどきえていました。身体に触れ合う、重さを預け合う動きが重点になって、コンタクトダンスな雰囲気。空間も床もまんべんなく使っていてさすが!って感じでした。
三チーム目は、ものすごくシンプルに。シュールになりました。しかし、どうしても移動の歩くこと、走ることをダンス的にできなくて、またみんなに見てもらって改良。ゲストさんが提案してくれた動きがやはりトレースできないので、どうしようかと悩んでいたら、周りの人がその動きのイメージをくれて、一気に動けるようになりました。バナナを一房だけ取るゴリラをやりつつ、下半身はメカで遠くのパンジーをビームで焼く。というなぞのイメージのおかげで、変でおもしろいダンスになりました。
DSC_0767

 

DSC_0757
DSC_0752
今日一日、疲れた体でどこまでやれるかな…と全員が覚悟していたのですが、なんとかダンスを作ることが出来ました。そしていつの間にか時間もいい感じに。
最後のふりかえりでは、自分のできないことを実感としてわかった。 こうすればモテるという具体的なこともわかった。(実践できるかどうかは別だが、) 踊ってきた。と周りの人に言えるくらいには踊った気がする。 ダンスでは全然自分の感覚があわない、うまくできないことが多かった。でもそのぶん、演劇のコーナーではできるぞ!って思えることも多かったので積み重ねてきたものがちゃんと自分の中にあるんだ。と感じた。 ダンスはこのもやもやを超えるときっと楽しくなると思うできることが増えるのは楽しい。 ダンスについての小さな引き出しがいくつかできたきがする。 訓練の賜物はある。 即興的なものへの可能性ももちろんある。 ダンスの感覚は積み重ねないと養えない? ダンスと演劇の違いは実はそんなにない気がする。 ダンスを教えることについてとても考えた。 みんな思ったより動けるし、とても踊れていた。 などなど…。他にも色々なお話しが聞けました。
DSC_0771
最後はみんなしてとても贅沢に疲れたので、焼き肉を食べました。
そんな感じで、最終日も贅沢に終えることが出来ました。
DSC_0769
DSC_0770
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
色々な方と一緒に身体を動かして、同じくらい考えて話して、とても楽しかったです。今年も大変贅沢な三日間でした。
身体を動かしていたためか、疲労は去年の三日間と似ているが、今年の方が断然気持ちも心もさわやかに終われました。
立つ・座る・歩くについてもうすこしストイックにやってもよかったかなあと思いつつ。集まったメンバーでしかできないことがたくさんできたのは良かったです。
裏のテーマだったモテるについてももっと踏み込んでも良かったのかな…。
終わってからもやはり色々考えます。もっとやりたいこと、試したい事もたくさん…。
このような、単に技術を教わる場でなくて、集まった人たちで創り上げる場をつくろうとなると、なかなかピンとこない方も多い中、
参加してくださった方ももちろん、一緒にプログラムを考えてくれたゲストさんのお二人の心の広さにはもう頭が上がりません。本当に本当にありがとうございました。
またこのような機会はつくっていきたいと考えておりますので、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年も良い夏の終わりでした。またなんだか寂しくなってしまうので、次へ次へと進んでゆきます。
かなや

この投稿へのコメント

コメントはありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL